東京新聞 TOKYO WEB 2012年4月15日 07時13分
大飯再稼働 「関西圏の理解必須」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012041590071342.html
大飯再稼働 「関西圏の理解必須」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012041590071342.html
枝野幸男経済産業相は十四日、福井県庁で西川一誠知事らと会談し、政府が「妥当」と判断した関西電力大飯(おおい)原発(同県おおい町)の再稼働
に理解を求めた。これに対し西川知事や時岡忍おおい町長は、政府の拙速な再稼働手続きへの批判を強める大阪市や京都府、滋賀県の理解を国が責任を持って得
ることが必要との考えを示し、同意を先送りした。
枝野氏は会談後、時岡町長の要請に応じて住民説明会を開く方針を表明。滋賀県、京都府などには「政府方針を早く説明し理解を得たい」と語った。福井県は原子力安全専門委員会を十六日に開き、安全性などの検証を始める。
福島第一原発事故後の政府による立地自治体への再稼働要請は初めて。この日、民主党の仙谷由人政調会長代行も福井県議らに再稼働に理解を求めた。
会談で西川知事は、大阪市の橋下徹市長らが「再稼働ありき」の政府判断に反発する中では「県民の理解を得るのは困難」と強調。時岡町長も「関西圏の方々の理解を得てもらうことが必須だ」と話した。再稼働に向けた道のりは一段と険しくなった。
会談で枝野氏は、野田佳彦首相と関係三閣僚による協議を踏まえ「政府が再稼働の安全性と必要性を確認した」と説明。原発に対するテロ対策の充実強化なども 進める考えを示した。ただ、事故時の最前線基地となる免震施設の設置などの先送りを認める穴だらけの安全基準の実態に関し、改善策を提示することはなかっ た。
暫定的な安全基準の設定を求めていた西川知事は「(政府から)一定の回答が示された」としつつも「安全性について県でも検証し、県議 会やおおい町の意見も聞いて考えを示す」と述べるにとどめた。時岡町長は「早期に原子力規制庁を立ち上げ、規制機関としての実効性と透明性を高めてほし い」と注文を付けた。
◆急ぐ政府新たな難題
枝野経済産業相は政府の大飯原発再稼働方針を受け、立地自治体の理解を得る手続きに入った。しかし、大阪市の橋下徹市長ら周辺自治体が再稼働に反対していることを念頭に、関西圏の理解を得ることを「条件」とされ、再稼働を急ぐ政府はいきなり厳しい現実を突きつけられた。
会談で、福井県の西川一誠知事は枝野氏に「(関西圏の)電力消費地域に(原発立地県の)努力が必ずしも伝わっておらず、県民の理解を得ることは困難だ。責任を持って対応していただく必要がある」と迫った。
おおい町の時岡忍町長も会談後、再稼働への理解を得る対象について「関西圏の首長や住民」と明言。「一番の消費地の方々が再稼働に後ろ向きな状態をなおざりにしたまま、住民に再稼働を認めてくれと言っても理解してくれない」と述べた。
政府は再稼働に向け原発が立地する福井県とおおい町の理解を得るため、安全基準などを整えた。しかし、その首長から大阪や京都、滋賀など「関西圏」の理解を求められた。再稼働の理解を得る範囲を「県と立地自治体が最も重要」と限定しようとしていた政府の思惑は外れた。
関西圏は大飯原発の電力の大消費地であるばかりでなく、万一、原発で事故が起きた場合、放射性物質の影響が及ぶことが懸念される。橋下市長は政府が再稼働 方針を決めた後、「民主党政権を倒さなければいけない」と批判を強めている。京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事も「安全対策の恒久的な措置が できていない段階で再稼働するのは不安だ」などと発言し、説得は容易でない。
政府は全国で唯一、稼働している北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が定期検査に入り、停止する五月五日までに大飯原発を再稼働させたい考えだが、新たな難題を抱え「原発ゼロ」が実現する現実味はさらに強まってきた。 (金杉貴雄)
(東京新聞)
枝野氏は会談後、時岡町長の要請に応じて住民説明会を開く方針を表明。滋賀県、京都府などには「政府方針を早く説明し理解を得たい」と語った。福井県は原子力安全専門委員会を十六日に開き、安全性などの検証を始める。
福島第一原発事故後の政府による立地自治体への再稼働要請は初めて。この日、民主党の仙谷由人政調会長代行も福井県議らに再稼働に理解を求めた。
会談で西川知事は、大阪市の橋下徹市長らが「再稼働ありき」の政府判断に反発する中では「県民の理解を得るのは困難」と強調。時岡町長も「関西圏の方々の理解を得てもらうことが必須だ」と話した。再稼働に向けた道のりは一段と険しくなった。
会談で枝野氏は、野田佳彦首相と関係三閣僚による協議を踏まえ「政府が再稼働の安全性と必要性を確認した」と説明。原発に対するテロ対策の充実強化なども 進める考えを示した。ただ、事故時の最前線基地となる免震施設の設置などの先送りを認める穴だらけの安全基準の実態に関し、改善策を提示することはなかっ た。
暫定的な安全基準の設定を求めていた西川知事は「(政府から)一定の回答が示された」としつつも「安全性について県でも検証し、県議 会やおおい町の意見も聞いて考えを示す」と述べるにとどめた。時岡町長は「早期に原子力規制庁を立ち上げ、規制機関としての実効性と透明性を高めてほし い」と注文を付けた。
◆急ぐ政府新たな難題
枝野経済産業相は政府の大飯原発再稼働方針を受け、立地自治体の理解を得る手続きに入った。しかし、大阪市の橋下徹市長ら周辺自治体が再稼働に反対していることを念頭に、関西圏の理解を得ることを「条件」とされ、再稼働を急ぐ政府はいきなり厳しい現実を突きつけられた。
会談で、福井県の西川一誠知事は枝野氏に「(関西圏の)電力消費地域に(原発立地県の)努力が必ずしも伝わっておらず、県民の理解を得ることは困難だ。責任を持って対応していただく必要がある」と迫った。
おおい町の時岡忍町長も会談後、再稼働への理解を得る対象について「関西圏の首長や住民」と明言。「一番の消費地の方々が再稼働に後ろ向きな状態をなおざりにしたまま、住民に再稼働を認めてくれと言っても理解してくれない」と述べた。
政府は再稼働に向け原発が立地する福井県とおおい町の理解を得るため、安全基準などを整えた。しかし、その首長から大阪や京都、滋賀など「関西圏」の理解を求められた。再稼働の理解を得る範囲を「県と立地自治体が最も重要」と限定しようとしていた政府の思惑は外れた。
関西圏は大飯原発の電力の大消費地であるばかりでなく、万一、原発で事故が起きた場合、放射性物質の影響が及ぶことが懸念される。橋下市長は政府が再稼働 方針を決めた後、「民主党政権を倒さなければいけない」と批判を強めている。京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事も「安全対策の恒久的な措置が できていない段階で再稼働するのは不安だ」などと発言し、説得は容易でない。
政府は全国で唯一、稼働している北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が定期検査に入り、停止する五月五日までに大飯原発を再稼働させたい考えだが、新たな難題を抱え「原発ゼロ」が実現する現実味はさらに強まってきた。 (金杉貴雄)
(東京新聞)
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