2012年4月21日土曜日

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元警部、北九州で撃たれ重傷 昨春まで工藤会担当、福岡県警の保護対象
西日本新聞 2012年4月19日 14:36
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/298027


銃撃現場付近を調べる福岡県警の捜査員たち=19日午前9時37分、北九州市小倉南区湯川新町(本社ヘリから)
19日午前7時すぎ、北九州市小倉南区湯川新町4丁目の路上で、元福岡県警警部で病院職員の男性(61)が男から3発銃撃され、そのうち2発が左太ももと 腰に当たった。男性は全治1カ月の重傷だが、命に別条はないという。男性は昨年まで指定暴力団工藤会(同市小倉北区)の捜査を担当しており、県警は工藤会 による犯行とみて、殺人未遂容疑で捜査を始めた。元警察官ら捜査関係者が銃撃されるのは極めて異例。
 男性の勤務先の病院によると、男性は昨年3月に県警を退職し、同4月に嘱託職員として再就職した。県警時代は長年にわたって暴力団犯罪を担当。退職後、自宅周辺で不審な車が目撃されていたことから県警の「保護対象者」になっていた。
  県警によると、この日、男性は病院に向かうため午前7時ごろ自宅を出た後、自宅から約300メートル離れた路上で、バイクに乗って前から近づいてきた男1 人に拳銃のようなもので擦れ違いざまに撃たれた。現場からは薬きょう3個、銃弾1個が見つかり、自動式拳銃が使われたとみられる。
 通行人の女性が「人が撃たれた」と119番し、その後、男性自ら電話を代わり「左脚を撃たれた。犯人はバイクに乗っていた」と話したという。撃った男はバイクで逃走。黒っぽい服装で、フルフェースヘルメットをかぶっていた。
 19日は県警の巡査部長以上の昇任試験があり、20日には小倉南区で工藤会の旧事務所の土地と建物を医療法人が購入して衣替えした有料老人ホームの開所式を控えていた。県警幹部は「試験や開所式前を狙ってきたとも考えられる。これは警察への挑戦状だ」と話している。
 現場は、JR日豊線安部山公園駅の南約200メートルの閑静な住宅街。200メートル南には中学校もある。
■「警察への挑戦」県警衝撃
  北九州市小倉南区で、銃撃されて脚などに重傷を負った元福岡県警警部の男性は約30年間、指定暴力団工藤会の捜査を担当、「北九州地区の暴力団対策の要」 (元県警幹部)とも言われたベテラン刑事だった。県警の暴力団対策をあざ笑うかのように起きた銃撃事件。「警察への挑戦。全力を挙げて犯人を捕まえるしか ない」と、県警幹部は声を絞り出した。
 関係者によると、男性は一貫して北九州地区で工藤会対策を担当。長年の暴力団捜査の功績で警察庁長官から表彰されたこともある。2009年から昨春の退職まで同地区で暴力団犯罪を担当する特別捜査班長を務めた。
 元県警捜査員は「正義感が強く、暴力団に物が言える昔かたぎの刑事だった」。別の元県警幹部は「多くの暴力団事件を解決しただけに逆恨みされた可能性がある」と話した。
 県警は06年に「北九州地区暴力団総合対策現地本部」を立ち上げ、工藤会対策に全力を注いできた。しかし、昨年、県内では全国最悪の18件の発砲事件が発生、北九州市小倉北区では建設会社会長が射殺された。
 こうした状況を受け、警察庁は改正暴力団対策法案を今国会に提出。松原仁国家公安委員長が福岡での視察を表明したばかりだった。ある県警捜査員は「警察はなめられている。威信をかけて事件を解決するしかない」と力を込めた。
 福岡県内では1988年、宗像市の元暴力団担当捜査官宅が暴力団組員に放火され、全焼した。2010年2月には、大木町の元警察官男性が、自宅敷地内で男に拳銃で右脚を数発撃たれ重傷を負った。

=2012/04/19付 西日本新聞夕刊=

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