2012年3月12日月曜日

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毎日新聞 2012年3月10日 11時41分(最終更新 3月10日 11時46分)
福島第1原発:1カ月不明者捜索できず怒り 浪江で遺族会
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120310k0000e040138000c.html
 


 東京電力福島第1原発事故により、津波で行方不明になった家族を約1カ月間捜索できなかった福島県 浪江町の遺族たちが震災1年の11日、避難先の二本松市で遺族会の設立総会を開く。遺族の間には今も「原発事故さえなければ家族は助かったのではないか」 「遺体を長く放置され、許せない」との思いが強く、東電への慰謝料や謝罪を求めていく方針だ。
 「奥さんです」。昨年8月、二本松市の高林寺で、熊川勝さん(74)=浪江町請戸(うけど)=は住職に骨つぼを渡された。妻洋子さん(当時73 歳)とは信じられなかった。くぎや砂が混ざり、両膝の手術で入れたはずの人工骨がない。火葬の際に捨てられたと町の職員から聞いた。「すぐに捜せていれ ば、こんな粗末な扱いを受けずに済んだ。ごめんな」
 熊川さんは自宅で津波に襲われ、洋子さんを抱きしめたまま流された。やっとの思いで、天井の隙間(すきま)に浮き上がったが、妻は水の中に沈んでいく。「洋子、しっかりしてろ」。一晩中名前を呼んだ。
 翌朝始まった一斉捜索は原発事故による避難指示で中断された。「原発内で作業している人もいるのに」。避難先で眠っていると洋子さんの声が聞こえ、何度も目が覚めた。
 捜索が再開されたのは4月14日。遺体安置所を歩いて回った。体の特徴が書かれた紙や遺留品を見詰め、記憶をたどった。
 7月、警察から遺体を引き渡したいと連絡を受けた。捜索再開日に自宅近くの川沿いで見つかったと聞かされた。遺体の損傷はあまりにひどく、DNA型鑑定の結果を待った。
 「災害から2~3日は生存可能性がある。原発事故さえなければ」との思いは消えない。故郷の墓は立ち入り制限が続き、一周忌を前に納骨もできない。2月、新しい骨つぼに入れ替えた。一周忌を前にできる唯一の供養だったという。
 浪江町の死者は181人、行方不明者3人(2月末現在)。遺族会には約100世帯250人が入会する。参加予定の川口登さん(62)も「自宅周辺 は放射線量があまり高くない。早く捜せば助かったかもしれないのに、行方不明の両親は40日間も放置された。戻ってきた時は自分の親かどうかも分からず、 声にならなかった」と話す。
 11日は浪江町の追悼式に先立ち、二本松市の葬祭場で総会を開き、活動方針を決める。妻を亡くし会長に就任する予定の叶谷(かのうや)守久さん(72)は「東電は値上げを検討する前に、私たちの気持ちと向き合い、まずは謝罪すべきだ」と話す。【三上剛輝、高瀬浩平】
毎日新聞 2012年3月10日 11時41分(最終更新 3月10日 11時46分)



NHK NEWS web
遺族会発足 東電の責任追及へ
3月12日 4時4分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120312/t10013645531000.html
 (URL 内に動画あり)
 
東日本大震災で150人が亡くなった福島県浪江町の遺族が、原発事故で救助活動が中断されたため家族を救うことができなかったとして、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。

原発事故で捜索中断“救えたはずの命が”

浪江町は、震災で150人が亡くなり、いまも34人の行方が分からないうえ、原発事故で町全域が避難区域に指定され、すべての住民が避難を余儀なくされています。
震災発生の当初は消防や警察による救助活動が行われたものの、原発事故の影響で翌日からは住民の避難誘導で救助活動が中断され、本格的な捜索が行われたのは1か月以上たってからでした。
こうしたことから遺族たちは、救助活動が中断されたために家族を救うことができなかったうえ、どのように亡くなったのかも分からないとして、11日、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。
遺族会の会長で、妻を亡くした叶谷守久さん(72)は、「救助活動が続けられれば生き延びていた人が多くいた可能性がある。原発事故が無ければもっと多くの命が救えたのではないか」と訴えました。
11日は、発足の前に東京電力の鼓紀男副社長が遺族らと面会し、「原発事故によって捜索に支障が出たことについて、深くお詫び申し上げます」と謝罪したということです。
遺族会は、今後、東京電力に謝罪とともに賠償を求めることにしています。

死因究明の動きも

福島県内で亡くなった1605人のうち、大半は津波による「溺死」と判断されています。
しかし、遺体を調べた複数の医師はNHKの取材に対し、「遺体に目立った不審な点がなければ、解剖など詳しい死因の究明は行わず、遺体が発見された場所や着ていた服の状態などから津波による『溺死』と判断した」と説明しています。
そのうえで、「溺死」と判断された人の中にも、津波の後、しばらくは生存していた人が含まれ、別の死因で亡くなった可能性があるとしています。
こ うした問題を受けて遺体の死因を調べる医師などでつくる日本法医学会は被災地で遺体を調べた医師らを対象に、災害現場での体制面での課題や「溺死」と判断 した遺体の中に、解剖などしてさらに詳しい死因を調べる必要があったケースがなかったかなどアンケートや聞き取りを行い、被災地での死因究明の課題につい て調査に乗り出しています。





ウオール・ストリート・ジャーナルから引用
福島原発事故、被ばく量はチェルノブイリに比べ少ないが・・・
2012年 3月 12日  13:37

http://jp.wsj.com/Japan/node_406497

福島第1原子力発電所の事故から1年、科学者は人体や環境への影響がこれまでのところ極めて小さいとの見解で一致しつつある。事故による放射線関連の死 亡や疾患は、被ばく線量が非常に高い作業員についてさえ、報告されていない。これに対し、1986年に起きたチェルノブイリ事故では、1年以内に作業員 28人が急性放射線障害で亡くなっている。
オレゴン州立大学のキャスリン・ヒグリー原子力工学教授は「放射性物質の面からみて、影響は極めて小さい」と述べた。
ただ、福島の事故を調べている向きは、早い時期の安心感を与えるような結論で、被ばくの影響を過小評価される人が出かねないと警告。低レベルの放射線の 長期被ばくが人体に及ぼす影響について、科学者たちはまだほとんど知らないと指摘する。また、同原発近くでは鳥が減少したり魚で高い放射線量が測定された りといった気がかりな現象もあり、生物学者らは観察を続けるとしている。
Wally Santana/Associated Press
避難所での放射線スクリーニング検査(2011年3月24日、福島)
福島県立医科大学の山下俊一副学長は、皆の健康状態を長期的に注意深く見守っていくことが重要だと述べた。
東京大学の小佐古敏荘教授は、 福島第1原発事故では長期的に、がんを含む甲状腺疾患が300~500人増えるとの見方を示した。チェルノブイリでは、子どもを中心に5000~6000 人に甲状腺疾患があったという。チェルノブイリ事故による健康被害を研究するために創設された国際団体は、被ばくが高かった4000人が致死性のがんにか かったと推計している。
小佐古氏は昨年4月、政府の原発事故対応に涙ながらに抗議して菅直人首相(当時)の内閣官房参与の職を辞したことで、国内外で注目を浴びた。今も不満は あるが、政府がメルトダウン後に比較的迅速に食品や水をコントロールしたことが、影響の小ささにつながったとみている。チェルノブイリでは、汚染した牛乳 が子どもの疾患の大きな原因になった。
浪江町、飯舘村、川俣町の1万0468人を対象とした政府の調査の結果が2月下旬に公表された。推定被ばく線量1ミリシーベルト未満が58%、5ミリシーベルト未満が95%だった。15ミリシーベルトを超えたとみられるのは原発作業員13人など23人にとどまった。
これに対し平均的な米国民の年間被ばく線量は、環境保護局(EPA)によると自然放射線と人工放射線合わせて推定3ミリシーベルト。日本の安全基準では、原発作業員の年間被ばく線量上限は100ミリシーベルトだが、一時的に250ミリシーベルトに引き上げられた。
浪江町などの住民の被ばく線量は、ある時期に住民がいた場所と、その場所の放射線量の調査に基づいている。福島県はこれとは別に、ホールボディカウン ターによる内部被ばく線量の計測を希望者に行っている。1月末時点で1万5408人が計測を受けているが、同県によると健康に影響が及ぶような数値は出て いない。1ミリシーベルト以上は25人のみで、2人で3ミリシーベルトが計測されたのが最大だったという。
同県は、子どもの甲状腺も検査した(10、11月で3765人)。医療アドバイザーは、被ばくに関連した問題はなかったとしている。
ただ、住民の被ばくに関する報告は、科学であるのと同時に推量でもある。弘前大学の専門家らが避難住民に対して独自に行った甲状腺の検査では、被ばく線 量は政府の数値よりも高かった。検査に参加した床次眞司(とこなみしんじ)教授は、事故直後に高い被ばくがあったかどうかなどについて、政府とは異なる仮 定を用いたとしている。
実際の被ばく線量を知るのは難しい。諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、避難住民が住むアパートの土台に汚染した石でできたコンクリートが使われたことが発覚した問題について、住んでいた中学生がたまたま線量計を持っていたために偶然判明したと指摘した。
東京電力のデータによると、福島第1原発の作業員の被ばく線量はかなり高い。昨年3月以来そこで作業してきた2万0115人のうち、100ミリシーベル ト以上を被ばくした人は167人に上り、そのうち6人は少なくとも250ミリシーベルトを浴びていた。最大は、圧力が高まり爆発の恐れが出てきたときにベ ントの準備をした作業員の679ミリシーベルト。東電の広報担当者は、こうした作業員で健康上問題が出ている者はこれまでないとした上で、健康状態を注意 深く見守っているとした。
福島県立医科大学の山下副学長は、一般市民の被ばく線量は低いようだと述べ、避難生活や放射線への恐れがアルコール摂取の増加やストレス関連の疾患につながる恐れがあると指摘した。地元に帰れない住民はなお数万人いる。
昨年3月11日から数日の間に数万トンの汚染水が太平洋に排出された。しかし、ウッズ・ホール海洋生物学研究所(マサチューセッツ)の海洋科学者ケン・ ビュスラー氏によると、海流によってかなり放射性物質は拡散した。6月までには、沖合18~300マイル(約29~480キロ)のセシウム137は人間が 浴びても安全な水準になっていたという。
放射線医学総合研究所の青野辰雄氏によれば、セシウムは海底の沈殿物に付着するため海底生物への影響が最も大きいとみられるが、その影響はまだ不明だ。科学者らは、そうした深海魚のセシウムはそれまでの標準の最大1000倍にも上るとしている。
今年福島県を視察した生態学者や生物学者は、放射性物質の放出が一帯の鳥の生息に大きな影響を及ぼした可能性があると指摘した。サウスカロライナ大学の ティモシー・ムソー教授率いる生物学者らは、昨年7月に福島周辺300カ所を調査し、鳥の生息数が約3分の2に減っていることを突き止めた。ムソー氏は 「反応はチェルノブイリ後の2倍だ」と指摘したが、「まだ原因はわからない」という。
スライドショー:震災、そして今≫
http://on.wsj.com/wkaG4n

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