(2011年12月5日 読売新聞)
汚染廃棄物処理 説明を
http://www.yomiuri.co.jp/eco/kikitai/20111205-OYT8T00391.htm?from=popin
東京大学教授 森口祐一さん 52
専門は環境システム学。国立環境研究所でリサイクルなどの研究に取り組む。除染やがれき処理の在り方を検討する環境省などの委員も務める。
――東京電力福島第一原子力発電所事故で、放射能に汚染された廃棄物の処理が本格化しますが、安全性についてどのように考えればいいのでしょうか。
まず、関東圏は放射能による汚染がゼロではないという事実を受け入れることが必要でしょう。東京都が受け入れた岩手県宮古市のがれきは、草木や枝葉を含む都内のごみよりも放射能が少ないのが現実です。一律に基準を定めて「それ以下は安全」と言うだけではなく、住民と丁寧に“対話”をすることが大切です。
例えば、がれきの広域処理を考えた場合、「焼却灰中のセシウムが1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下なら、通常の埋め立て処分ができる」との説明だけでは、住民の不安は解消されません。根拠を示したうえで、「三陸の津波被災地は関東圏より汚染が少ないので、関東圏は被災地のがれき処理を助けることができる」と説明することも必要です。
自治体の中には放射性物質濃度が高い焼却灰が出ることを懸念し、草木類の回収を中断しているところもあります。しかし、集めなければ汚染を放置していることにもなります。集めて野積みにしていると自然発火のおそれもあります。焼却しないことにもリスクはあります。
ごみ焼却施設のフィルターは、セシウムを99%以上カットできます。焼却するのとしないのとで、どちらがリスクが小さいのか、判断の助けとなる材料を専門家が示し、対話で結論を見いだしていくべきです。
(2011年12月5日 読売新聞)
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