中日新聞
2012年1月26日【福井】
再稼働、1号機後継建設も 美浜町原子力懇談会で住民から要望
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20120126/CK2012012602000126.html?ref=lcrk
美浜町の町民代表者と関西電力の幹部が意見交換する同町原子力懇談会が24日夜、同町郷市の関電原子力事業本部で開かれた。福島第1原発事故後、初めての懇談会で、全国的には原発に対して厳しい視線が注がれているが、地元出席者からは美浜1号機の後継機建設や原発の早期再稼働を求める要望が相次いだ。
農協や漁協、商工会など団体の代表者14人と関電の八木誠社長ら幹部11人が出席。オブザーバーとして山口治太郎町長も参加した。八木社長は冒頭あいさつで「引き続き原子力発電を活用していくことが大変重要」と脱原発の動きをけん制した。
懇談は町民側の要請で非公開で行われた。議事録によると、町民側からは「再稼働と美浜1号機の後継機を要望したい」「(政府が示した運転期間の)40年で廃炉も60年継続運転も困る」と古い原発を更新していくことを要望する一方、福島でのオフサイトセンターの機能不全を挙げて安全確保を求める意見もあった。八木社長は「地元の熱い思いをいただきありがたい」などと答えた。
懇談後、町民代表者のうち4人が会見し、わかさ東商工会の野瀬成夫会長は「40年を超えた原発は新しくする方向に持っていってほしい」と述べた。
懇談会は、2004年に発生した美浜3号機の蒸気噴出事故の再発防止策の一環として、事故翌年から毎年開催している。 (安福晋一郎)
中日新聞
2012年1月14日【福井発】
請負契約 偽装を指示 大飯原発に労働者派遣 逮捕の所長認める
関西電力大飯原発(おおい町)の改修工事現場に偽装請負で労働者が送り込まれていた事件で、福井、福岡両県警が職業安定法違反容疑で逮捕した「太平電業」(東京)福井地区営業所長の一瀬秀夫容疑者(58)が、偽装の指示を認める供述をしていることが十三日、分かった。
捜査関係者によると、一瀬容疑者は違法な労働者供給事業とみられることを恐れ、同容疑で逮捕された「高田機工」(高浜町)役員の富田好容疑者(59)に請負契約の書類の作成を指示したとみられる。富田容疑者も指示されたことを認めている。
両県警は十三日、太平電業や高田機工など八カ所を職安法違反容疑で家宅捜索した。
両県警は、三十代の男性従業員を送り込んだ職安法違反などの容疑で、指定暴力団工藤会の関係企業「総進工業」(現ドリーム)役員、池上加奈枝容疑者(36)も逮捕している。
太平電業の九州支店(北九州市)には二〇〇六年七月に銃弾が撃ち込まれ、総進工業と高田機工の取引は〇七年ごろ始まった。両県警は三人が知り合った経緯や、偽装請負による利益が工藤会の資金になった可能性を調べている。
原発構内 太平電業事業所を捜索
家宅捜索を終え、大飯原発を出る3台の捜査車両(奥に見えるのが右から3号機、4号機)=13日午後0時24分、おおい町の関西電力大飯原発で
写真
おおい町大島の関電大飯原発には十三日午前九時、福井、福岡両県警の合同捜査本部の捜査員十二人が、三台の車両に分乗して正門前に到着。入構手続きを済ませ、原発構内東側にある太平電業の大飯事業所に向かい、約三時間調べて書類などを押収した。
関西電力の広報担当者は「原発内でこのような事態が発生し、誠に遺憾。今後、取引会社に対し、あらためて法令を順守するよう訴えてまいりたい」と話していた。
中日新聞 2012年1月31日
県は「反対」明確に 福井の大飯原発再稼働
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20120131/CK2012013102000121.html?ref=related
福井県内の定期点検中の原発再稼働に反対する市民団体など18団体が30日、経済産業省原子力安全・保安院が再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)を妥当と判断した関西電力大飯原発3、4号機に、再稼働反対を県として明確にするよう求める要望書を嘉田由紀子知事宛に提出した。
18団体は、滋賀を含む関西一円で活動しており、2月4日には大津市内で大飯原発3、4号機の運転再開に反対する「関西びわこ集会」を主催する実行委員会の構成団体。
要望書では、滋賀や周辺自治体の意向も踏まえずに「運転再開ありき」で進んでいる、と指摘。原発立地隣接県の滋賀県には関西電力との間に、再稼働の事前了解の権限を含む安全協定は結ばれていないが、「事前了解を含む『立地県並み』の安全協定締結を多くの市民が望んでいる」としている。
また、県内住民は若狭の原発に不安を募らせているとして「運転再開には県民の理解が必要なことを表明し、原子力安全・保安院に説明を求めてほしい」と、国による県民向け説明会の開催を要望した。
この日は約20人が県庁を訪れ、県防災危機管理局に書面を提出した。メンバーの一人で大津市和邇高城の神戸大名誉教授、大津定美さん(73)は「京都、大阪を含め琵琶湖の水が汚染されたらどうなるか。隣接県の発言権がないままに再稼働されるのは認められない」と語気を強めた。
(梅田歳晴)
中日新聞
大飯原発再稼働認めぬよう要請 3市民団体が県に
2012年2月2日
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20120202/CK2012020202000122.html
「原発設置反対小浜市民の会」など、県内や関西の三つの市民団体が1日、福島第1原発事故の実態や原因が解明されるまで、定期検査で停止している関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)の再稼働を認めないよう県に申し入れた。
メンバーら11人が県庁を訪れ、岩永幹夫原子力安全対策課長と面談。経済産業省原子力安全・保安院は再稼働の前提となる3、4号機の安全評価(ストレステスト)を妥当と評価したが、福島第1原発事故の影響や若狭地域の活断層など、考慮されていない問題点を指摘した。
小浜市など原発の周辺自治体が、立地自治体と同等の原子力安全協定を結ぶことも求めて「県民の安全を第一に考えて判断を」と要請。岩永課長は「国や事業者の対応がはっきりしておらず、まだ先は見えない」と事故の知見や再稼働をめぐる国の議論を注視していく考えを示すにとどまった。 (平井一敏)
毎日新聞
浜岡原発:廃炉求める署名11万人分を提出…市民団体
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120124k0000m040025000c.html
東海地震の想定震源域にある中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の永久停止と廃炉を求め、市民団体「浜岡原発はいらない浜松の会」などが23日、約11万人分の署名を添えた経済産業相宛ての請願書を東京都内で経産省の担当者に提出した。
同会によると、昨年5月に浜岡原発が運転を停止して以降、廃炉を求める10万人規模の署名が集まったのは初めて。
署名は同会や県内の労組など14団体が街頭などで集めた。請願書は「原発依存をやめ、自然エネルギーへの大転換をはかるべきだ」としている。(共同)
毎日新聞 2012年1月23日 19時20分
毎日新聞
浜岡原発:発電コスト、国試算上回る 県の専門部会報告
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120201k0000m040090000c.html
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の発電費用は、1キロワット時あたり9.78円と政府が試算した原発の発電コスト(同8.9円)を上回るとの試算結果が31日、県の「原子力経済性等検証専門部会」で報告された。事故時の費用負担を含めておらず、今後はそれらも含めコスト計算する。
専門部会委員の大島堅一・立命館大教授(経済学)が、70年から10年までの40年間で試算。中電の火力発電のコストは9.37円だった。川勝平太知事は「原子力発電は安いといわれてきたが、高い」と話した。専門部会は浜岡原発の経済性を検討するために設置された。【仲田力行】
毎日新聞 2012年1月31日 23時33分(最終更新 2月1日 8時48分)
毎日新聞
東日本大震災:福島第1原発事故 川内帰村宣言 「自主判断」は無責任 村民に怒りも「子供の安全優先」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120201ddm041040142000c.html
東京電力福島第1原発事故による避難自治体で初めて、福島県川内村が「帰村宣言」をした。だが、村民に歓迎ムードは薄い。子供の安全を考え、帰郷をためらう家族も多い。郡山市の仮設住宅に家族7人で暮らす関根孝行さん(36)は「子供2人の安全を考えて、当分戻るつもりはない」と話す一方、深い悩みももらした。村民の絆、友達同士の絆はどう守っていくのか。【深津誠、乾達】
村立川内小2年の関根さんの長女(8)は今、仮設住宅から約8キロ離れた郡山市立河内(こうず)小に通う。川内小が間借りする形のため、村のスクールバスが送迎している。しかし、4月に川内小が村で再開すれば、河内小へのスクールバスは打ち切られる見込みだ。その後の送迎は親の負担となるが、ようやくなじんだ学校から転校させるのは忍びない。
村にいたころから仲良しだった長女の友達2人のうち、村職員の子は帰村する予定で、もう1人は仮設から歩いて通える郡山市立小に転校するという。子供たちがばらばらになってしまう。「原発はまだ収束していない。本当に安全が確認される前の帰村宣言はおかしい。『自主判断』は無責任ではないか」と関根さんは憤る。
原発事故前は、水道工事や農薬散布などを請け負う自営業だったが、仕事場の9割以上は、隣接する楢葉、富岡両町だった。警戒区域で住民のいない両町で仕事ができるはずもない。村は除染作業などで雇用を確保するというが、関根さんは言う。「放射線から逃げてきた私たちが、どうして放射線を浴びる仕事をしなければいけないんですか」
一方の遠藤雄幸村長は「戻れる可能性があるなら、自分たちでそれを広げたいと思った」と31日の記者会見で帰村を決断した理由を語った。昨年11月にチェルノブイリ原発事故現場を視察し、長期避難を強いられている人々の姿を見て「まだやれることがあるなら、やった方がいい」と考えたという。「避難生活で都会の便利さに慣れ、補償や賠償で暮らしていると、働くことやふるさとに帰ることへの意欲が失われてしまう。村民が転んでも国や県は起こしてはくれない。村の人間が抱き上げていかなければならない」
◇周辺町村住民「まず除染情報を」
周辺町村の住民からは「早過ぎでは」という声が相次ぐ。
緊急時避難準備区域が解除された広野町は、役場の一部が町に戻り始めたが、人口約5500人のうち町内に戻ったのは約300人にとどまっている。自動車修理業、大須賀正久さん(61)は「自分は仕事があるから広野に残っているが、大半の人は仮設と自宅を行き来して暮らすのが精いっぱい。店や病院のない町に戻る人はほとんどいない」と話す。
計画的避難区域や警戒区域は、住民帰還のめども立っていない。葛尾村民で三春町の仮設住宅に暮らす畜産業、岩間政金さん(86)は「畜産を復活させるには土壌の除染が必要で、2~3年は仮設で暮らしながら待つしかない」と話す。
富岡町民で郡山市の借り上げ住宅に暮らす宮本めぐみさん(38)は「家と仕事がなければ戻れない。行政は帰還を急ぐより、除染の進捗(しんちょく)状況などの情報を提供してほしい」と訴えた。【中川聡子】
毎日新聞 2012年2月1日 東京朝刊
(2012年2月3日 読売新聞)
帰村宣言の川内村県内に24人
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20120202-OYT8T01210.htm
原発事故で避難した村民に向け、「帰村宣言」を出した福島県川内村の村民が、群馬県内にも24人(1月4日現在)いる。村長からのメッセージに望郷の思いを募らせつつも、放射能汚染や雇用、生活の不安に、「今は帰れない」と慎重な姿勢を崩さない。
帰村宣言のニュースが流れた1月31日。川内村上川内から太田市に避難している鈴木好子さん(68)のアパートに、一緒に避難してきた長男(39)、次男(33)の一家ら11人が集まった。村に帰るか、帰らないか。臨時の家族会議だ。
「除染の効果が出ないと、帰ることはできない」。鈴木さんの意見に、家族から異論はなかった。一番心配なのは、長男の子供2人(5、6歳)のことだった。鈴木さんは「村長の気持ちは分かる。故郷に帰りたい気持ちもあるけど、1~2年は様子を見たい」。鈴木さんは、つらい胸の内を明かした。
川内村は、住民約3000人うち、約2800人が村外に避難。村は今月にも、群馬県内の居住者(太田市18人、館林市4人、富岡市1人、みどり市1人)を含めた避難住民に、帰還の意向調査を実施する予定だが、鈴木さんの家族は「見守りたい」と答えるという。
避難先の太田市で臨時職員として働く横尾修正さん(50)も、複雑な表情を見せる。
川内村の自宅は警戒区域にある。村は4月の役場の再開にあたり、除染を迅速に進めることを約束した。だが、横尾さんは昨年12月下旬に一時帰宅した際、自宅周辺の高い放射線量に反応して鳴り続けた線量計の音が忘れられない。
「生活圏だった隣の富岡町が元通りにならなければ暮らせない。雇用も確保されるのか」とも話す。帰村しても、経営していた損保代理店に顧客が戻るかは分からない。収入不足を補うため畑を耕そうにも、土が汚染されたままでは出来ないと、心配は尽きない。
一方で、太田市への移住も決断できないという。横尾さんは「結局、自分の状況は中途半端なまま」と顔を曇らせた。
群馬県内の避難住民は2月2日現在、2030人。支援にあたる県震災被災者支援室の担当者は「(川内村に限らず)いつかは皆が、同じような選択を迫られるかもしれない」と話した。
福島・川内、村長が帰村宣言…役場など4月再開
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120131-OYT1T00817.htm?from=popin
東京電力福島第一原発事故で役場や住民のほとんどが避難した福島県川内村の遠藤雄幸(ゆうこう)村長は31日、「帰村宣言」を行った。
村役場や学校、診療所などを4月から村内で再開させ、除染を進めることで住民の帰還を促そうというもので、遠藤村長は「2、3年かけて戻ってもらえれば」と見通しを語った。同事故で役場機能を移した9町村の中で、元の場所に役場が戻るのは川内村が初めて。
村は今月から、帰還についての村民の意向調査や村民との座談会を行う。帰還世帯には線量計を配る。3月24、25日に役場の引っ越しを行い、4月から再開する。現在、役場機能があり、仮設住宅などで多くの村民が暮らす同県郡山市には4月以降も窓口機能を残す。
村は現在、警戒区域と旧緊急時避難準備区域に分かれている。当初は今年度内に警戒区域以外の除染を進め、村内の被曝(ひばく)線量を年間1ミリ・シーベルト以内として帰村宣言をする計画だった。しかし、除染は大雪などの影響で遅れ、3月までに除染できるのは公共施設や子供のいる住宅などに限られる見通し。村内の被曝線量は住宅地の多くの場所で毎時1マイクロ・シーベルト未満に下がっているというが、この日の宣言では「戻れる人は戻る。心配な人はもう少し様子を見てから戻る」との考え方が示された。
拡大図
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20120201-OYT9I00056.htm
写真
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20120131-OYT9I01097.htm
(2012年2月1日03時03分 読売新聞)
毎日新聞
東日本大震災:「乳児食品は100ベクレル」 セシウムの新基準に緩和案--文科省審議会
http://mainichi.jp/life/today/news/20120203ddm002040090000c.html
厚生労働省の諮問を受け、食品の放射性セシウムの新基準値案を審議していた文部科学省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)は2日、乳児用食品と牛乳について、1キロあたり50ベクレルを100ベクレルに緩めてもよいとする答申案をまとめた。次回に最終案を厚労省に答申する。
審議会では「乳児も含めどの年齢層でも、1キロあたり100ベクレルの食品を摂取し続けても、年間被ばく限度の1ミリシーベルト以内に収まる」との意見が大勢を占め、子供の健康は十分に守られるとの見解で一致した。新基準値案は農漁業生産者に厳しすぎ、被災地の復興にも影響を与える可能性があるとの意見も出た。答申案には「基準値の決定にさまざまな関係者が関与すべきだ」と記された。
厚労省は昨年12月、穀類500ベクレルなど今の暫定規制値を見直し、乳児用食品50ベクレル▽牛乳50ベクレル▽一般食品100ベクレルなどの新基準値案を発表。放射線審議会の答申や国民の意見募集を経て新基準値を決め、4月から施行する。【小島正美】
毎日新聞 2012年2月3日 東京朝刊
産経
震災がれき受け入れ「ない」6割 放射能に“脅迫”…処理いつになったら
2011.12.30 12:00 (1/4ページ)[東日本大震災]
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111230/dst11123012010008-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111230/dst11123012010008-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111230/dst11123012010008-n3.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111230/dst11123012010008-n4.htm
図面のURL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/111230/dst11123012010008-p1.htm
(1)
東日本大震災に伴い発生した宮城県、岩手県の震災がれきの処理について、「現状で受け入れをする考えがない」と回答した都道府県と政令市が計36団体あり、約6割に及ぶことが、産経新聞の調査で分かった。ほぼ全ての自治体が「放射能への不安」を理由に挙げた。受け入れに消極的な自治体は西日本に多く、東西の意識格差が浮き彫りになった。
調査は電話での聞き取り方式で、12月中旬から下旬に実施。
被災3県と距離的な理由で受け入れ困難な沖縄を除く43都道府県、仙台市を除く18政令市の計61自治体の担当者に、がれきの受け入れに関する現状を聞いた。都道府県には把握できている市町村の状況も聞いた。
京都府は回答を拒否。2つの自治体が「住民の苦情で業務に支障の出る恐れがある」などとして、匿名を条件に回答した。
都道府県のうち、がれきを「すでに受け入れている」と回答したのは東京都、山形県(山形市など6市町)、青森県(三戸町)の3自治体のみ。「受け入れる考えがある」と前向きな姿勢を示したのは15にとどまり、「ない」とした27を下回った。
政令市では「ある」と「ない」が9ずつで同数だった。
「ない」とした団体のうち大多数は「放射性物質への住民の不安」を理由にした。焼却施設や埋め立て施設など規模が小さく「受け入れられる状況にない」とした自治体もあった。茨城、栃木、千葉の3県は自らも被災地のため、受け入れは困難とした。
(2)
「ある」と回答した自治体でも、すでに具体的な受け入れの動きが出ているところがある一方、高知や三重県などでは「受け入れたい気持ちはあるが、積極的な市町村がない」などと説明した。
被災地との距離も大きく影響。東北・関東では前向きな自治体が目立つ一方、近畿では大阪府が受け入れの独自基準を策定した以外に大きな動きはなかった。九州では北九州市が受け入れを検討している以外は全自治体が「ない」と答えた。
◇ ◇
■「東日本とは違う」
がれき処理については、原発事故の影響が大きい福島県は県内処理を基本とすることになっており、岩手、宮城両県の県外処理が課題になっている。
環境省によると、岩手県のがれき総量は同県の年間一般廃棄物の11年分に相当する57万トン。宮城県では判明分だけで、それを遙かに上回る338万トンのがれきが発生した。
一方、産経新聞の調査によると、東京都、山形県、青森県が7月以降に受け入れたがれき量は約64万5600トンにとどまっている。“救いの手”はなぜさしのべられないのか。
四国地方の県の担当者は「東京や静岡のように協力したい気持ちはあるが、すでに放射能が来ている東日本と、西日本では(住民の)考え方が基本的に違うと思う」と吐露する。
(3)
周辺住民からきた電話やメールは数百件に上り、ほとんどが受け入れに反対。「がれきを受け入れれば、おたくの農作物はもう買わない」との声もあり、「うちは一次産業が中心。風評被害を考えれば、受け入れたくても…」と担当者は困惑する。
■“脅迫”…強烈な拒否反応
より深刻な“方針転換”もあった。佐賀県武雄市は市内のごみ処理施設での受け入れを計画。11月28日に受け入れを表明したが、直後から「苦しみをお前たち職員に与えてやる」などと脅迫めいた電話やメールが相次いだ。このため、わずか3日後に樋(ひ)渡(わたし)啓祐市長が受け入れを断念を表明。
批判の電話には「イベントを妨害する」などもあり、樋渡市長は「市民に危害を及ぼす予告は看過できない。武雄市産(品)の不買運動まで起きている」と説明した。
また、大阪府でも放射能の専門家を招いた会議が、傍聴した反対住民のやじで続行できなくなるトラブルもあったという。
「うちには原発もなく、職員にも放射能の知識がない」。住民も役所の職員も、放射能に対するそこはかとない不安感が受け入れ論議の足かせとなっているのは明白だ。
■「8千ベクレル」の誤解
受け入れの考えが「ない」と回答した各自治体が問題とするのは、環境省が提示した焼却灰の埋め立ての基準だ。
(4)
環境省は放射性セシウム濃度が1キロあたり「8千ベクレル以下」なら埋め立て可能とする。だが、昭和38年施行の原子炉等規制法の規則では、これまで「100ベクレル以下」のものを「放射性物質に汚染されたものではないもの」とみなし、一般ゴミとして原発敷地外で処分することを認めてきた。
全国知事会では12月20日にまとめた国への要望案で、基準が「80倍」になったことについて言及。受け入れに消極的な自治体の多くは、「8千ベクレルでは説明がつかない」などと国の対応を批判している。
だが、岩手、宮城両県が受け入れを要請しているがれきの放射性濃度は、高いものでも岩手が普代村の39ベクレル、宮城が石巻市の116ベクレルと「8千ベクレル」にはおよそ届かない。1キロ当たり100ベクレル以下であれば法令上、放射性廃棄物とはいえず、金属や木材などリサイクルも可能なレベルだ。
環境省では12月上旬、ようやく住民向けパンフレットを作成し、説明に乗り出すというが、宮城県の担当者は「処理しなければ復興にも入れず、国には受け入れの環境作りをお願いしたい」と訴えている。
産経
静岡県島田市が試験焼却実施へ 震災がれき
2012.1.27 20:29
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120127/dst12012720300024-n1.htm
東日本大震災で出た岩手県大槌、山田両町のがれき受け入れについて、静岡県島田市の桜井勝郎市長は27日、試験焼却を実施すると表明した。同市役所で住民と会談後、報道陣の取材に応じた。静岡県によると、これまでに被災地のがれきを受け入れている自治体は東京都だけ。
桜井市長は「島田市の責任で始めたい。(一般廃棄物焼却施設のある)伊太地区の了解は取っていないが、説明し尽くしており、決断しないとずるずる延びる」と強調。
今後、静岡県、国と試験焼却に向けた手続きに入り、2月にも始める見通し。最終的に受け入れるかどうかは試験焼却の結果を市民に公表し、判断する。
また、桜井市長は受け入れるがれきの安全性を確保するため、放射性セシウムの濃度は焼却灰の状態で1キログラム当たり500ベクレル以下が望ましいとの考えを示した。
毎日
毎日新聞 2012年2月2日 地方版
東日本大震災:がれき受け入れ 島田市、試験処理実施で合意 岩手、静岡両県と /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20120202ddlk22040229000c.html
東日本大震災による岩手県大槌町、山田町のがれき受け入れ方針を示している島田市の桜井勝郎市長は1日の定例記者会見で、同市内で行う試験処理の実施について岩手、静岡両県と覚書に合意したと発表した。2月中に実施する見通しで、近く正式に委託契約を結ぶ。【小玉沙織】
島田市内のごみ処理施設で試験処理するのは、柱材や角材をチップ化した山田町のがれき約10トン。原子炉等規制法で「放射性物質として扱う必要がない」とされる基準の1キロあたり100ベクレル以下のものを使う。処理後の焼却灰の処分方法は未定。
運搬はトラックと鉄道(盛岡貨物ターミナル-静岡貨物駅間)で行い、山田町内の仮置き場から島田市のごみ処理施設で試験処理を終えるまで、運搬時を含め放射能検査を計4段階実施し、住民に公表。安全性を理解してもらい、受け入れへの同意を求めていく。
運搬と放射能検査の費用は国に負担してもらい、試験処理の費用は島田市が負担する考え。
ごみ処理施設周辺の住民から反発の声が上がっていることに対し、桜井市長は「私の独断で大変な心労をかけ、申し訳なかった」と謝罪した。他方で「東北を助けたいという思いでやっている。どんなに批判を受けても前に進むしかない」と強い決意を強調した。
◇「約束を破った」地元自治会抗議
桜井勝郎・島田市長が震災がれきの試験処理を実施すると表明したことに対し、同市のごみ処理施設がある伊太地区の自治会は1月31日、「市は事前に自治会の書面による合意を得てから試験処理を実施するとしていた約束を破った」などとする抗議文を提出した。
佐藤博海会長は「(1月27日に)要望書を提出したその場で実施を表明するのは到底納得できない。今後は地元に事前に説明するなど、ちゃんと手順を踏んでもらいたい」と話した。【小玉沙織】
産経
都が震災がれき「問題なし」 試験焼却結果を公表
2012.1.31 20:52 [放射能漏れ]
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120131/dst12013120530026-n1.htm
東日本大震災で発生した宮城県女川町の震災がれきを受け入れる「東京二十三区清掃一部事務組合」は31日、同町のがれきを都内の清掃工場で試験焼却した結果を公表した。焼却灰などの放射性物質濃度は国の基準値を下回り、東京都内の一般ごみ焼却で出る値の範囲内で問題はなかった。
2月中に工場周辺の住民説明会を実施した上で、3月に19工場で本格焼却を始める方針。平成25年3月まで1日当たり約150トンを受け入れる計画だ。
同組合は東京23区内の一般ごみを焼却している。試験焼却は昨年12月、大田、品川区内の工場で、都内で出た一般ごみにがれきを約20%混ぜた「混合ごみ」にして2日間、実施した。
同組合のまとめでは、焼却灰1キロ当たりの放射性セシウム濃度は大田工場で99ベクレル、品川工場で124ベクレルだった。集塵(しゅうじん)装置などに集まった飛灰ではそれぞれ2440ベクレル、1043ベクレル。
いずれも、昨年6~12月の都内の一般ごみでの測定値(焼却灰72~1290ベクレル、飛灰353~1万3630ベクレル)内だった。国の焼却灰の処理基準は8千ベクレル。
排水、排ガスからは検出されず、工場周辺の空間放射線量は受け入れ前後で変化はなかった。焼却灰は都内のごみと同様、東京湾内の処分場に埋め立てる。
都は25年度末までにがれき計50万トンを受け入れる予定で、昨年11月から岩手県宮古市分を民間業者を入れて処理中。女川町分は都内の市町村で作る清掃組合も受け入れを準備している。
産経
千葉もがれき受け入れへ 森田知事が前向き姿勢
2012.2.2 13:19
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120202/dst12020213200012-n1.htm
東日本大震災で発生したがれきの受け入れについて、千葉県の森田健作知事は2日の記者会見で「安全性の確認はすべきだが、考えていかなければならない」と述べ、前向きな姿勢を示した。
千葉県は、旭市など県内の津波被害で生じた大量の廃棄物の処理を続けており、3月末までにめどがつけば、その後に受け入れる見通し。
森田知事は「東北の被害は甚大だ。お互いに助け合わないといけない。千葉が片付いたらお手伝いするのは当たり前だ」とも述べた。
首都圏では、東京都が昨年11月に岩手県宮古市のがれきを受け入れ、神奈川県の黒岩祐治知事も県内で処理する方針を表明している。
毎日新聞
東日本大震災:がれき受け入れ、千葉県知事が前向き
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120203k0000m040071000c.html
東日本大震災によるがれき(災害廃棄物)の受け入れについて、千葉県の森田健作知事は2日の記者会見で「県内のがれきがある程度片付いたら、(他県を)お手伝いするのは当たり前だ」と話し、受け入れを前向きに検討する方針を示した。
森田氏は「お互いに助け合わないといけない。放射性物質など(がれきの)安全性はきちっと確認しないといけないが、東北の被害は甚大だ」と述べた。
同県は津波被害を受けた太平洋岸の旭市などのがれき処理を、3月末をめどに終わらせたい考え。県資源循環推進課は「実際にがれき処理を担うのは市町村なので、県から呼びかけをして受け入れてもらうことになる」と説明している。
首都圏では東京、神奈川、埼玉の各都県などが受け入れ方針を明らかにしている。【斎藤有香】
毎日新聞 2012年2月2日 21時27分(最終更新 2月2日 21時52分)
原発検査:丸写し「事業者依存」 第三者委指摘 基盤機構、改善約束
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120113ddm001040050000c.html
原発検査:丸写し「事業者依存」 第三者委指摘 基盤機構、改善約束
原発関連施設の法定検査機関で独立行政法人の「原子力安全基盤機構」が、検査対象の事業者の作成した原案を丸写しした検査手順書(要領書)を基に検査している問題で、機構の第三者委員会は12日、要領書を機構自らの手で作成するよう求める報告書を提出した。中込良広理事長は記者会見で「真摯(しんし)に反省している」と謝罪し、改善策やスケジュールをまとめた「工程表」を1~2週間で作成・公表する方針を明らかにした。
報告書は「丸写しは事業者への依存体質を示し国民に疑念を抱かせる」と批判した。研修体制について米原子力規制委員会(NRC)に比べ「詳細かつ体系的なプログラムとは言えない」と指摘。「教育・研修の強化」など13項目の改善策を提言した。
第三者委の柏木俊彦委員長(大宮法科大学院大学長)は「検査によって原子力の
安全が確保される。要領書は検査の基準。(原案を作らせたのは)適切ではなく、どんなに面倒でも自分で作るべきだ。報告書をたなざらしにせず是正してほし
い」と述べた。中込理事長は「疑念を招くような検査をしてきたことは大変反省している。心を新たにし(改善を)できる限り早急に行いたい」と応じた。【川辺康広】
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◇第三者委の報告書骨子
《調査結果など》
・事業者の電子ファイル(原案)をコピーしたものが検査要領書の本体となっている。事業者への依存体質を示し、主体性、独立性に問題があり、国民の信頼に疑念を抱かせる
《改善策》
・要領書の作成を事業者に委ねてはならず、自ら主体的に行う
・要領書の作成過程を明確にし、責任者を定める
・事業者との打ち合わせは議事録を作成する
・検査の重要性について自覚させるため、研修を強化、充実する
毎日新聞 2012年1月13日 東京朝刊
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