2012年3月5日月曜日

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 存廃、割れる民意 浜岡停止から半年

中日新聞から全文引用
存廃、割れる民意 浜岡停止から半年
2011年11月15日
再稼働あり得ぬ
御前崎市中心部にあるショッピングセンター量販店の閉店後、半年たっても次のテナントが入らない=同市池新田で(斉藤直純撮影)
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 「風評被害日本一危ない街になってしまったかのようだ」-。御前崎市商工会の阿形好男会長(64)は、月刊誌の「団塊が住みやすい街」ランキングで全国3位に入った4年前を懐かしむように言った。中部電力浜岡原発(同市)が停止して半年。「ホテルや飲食店の落ち込みが目立ってきた。何より市民が疑心暗鬼に陥っている」。いまだ収束しない東京電力福島第一原発の事故が、市民に原発の安全性を問い続ける。
 市中心部の池新田地区にあるショッピングセンター。スーパーや家電店、衣料品店が並び、週末には家族連れでにぎわう。買い物に訪れた主婦(58)は「原発停止は驚いたけど、今のところ生活に影響はない。でも何となく重苦しい空気があるのは確かね」と話す。別の主婦(37)も「マイナス感覚だけが広まっていて、街が少し寂しい。向こうのテナントも空いたままだし…」。
 視線の先には、4月末で閉店した大型量販店の跡。「大手家具チェーンや量販店の出店話があったが、まだ決まっていないはず」と話すのは市内の不動産業者。進出計画を聞いたのは東日本大震災前で、市内では浜岡原発6号機建設による好景気が期待されていた。「今となっては原発を再稼働させないと市が宣言しない限り、テナントの入居は難しい」と指摘する。
 9月に公表された基準地価で、御前崎市は住宅地、商業地ともに大幅下落した。不動産賃貸業の男性(58)は「値段が下がっても買い手がつかない土地も出てきた。福島の惨状を見れば、浜岡の永久停止も考えざるを得ない」と訴えた。
 原発リスクは茶業界にも及ぶ。「地元のお茶の品質は悪くないのにさばけない」と嘆くのは産地問屋の男性経営者(57)。7月以降の売り上げは4割減。福島第一原発の事故後、県産の茶から放射性物質が検出され、消費が冷え込んだ。この男性は2年前に浜岡原発のモニターを務め、安全性に異議を唱えたが取りあってもらえなかった。「いつかこんな事態になると感じていた。もう再稼働はあり得ない」
 しかし、総じてみると、浜岡原発の永久停止を求める市民の声は大きくはない。
 ある茶農家の男性(67)は、市民の気持ちを代弁する。「原発は財政が乏しかった旧浜岡町がもろ手を挙げて迎え入れた。今になって反対することは心情的にできない」。1号機の営業運転開始から35年。交通が不便で“陸の孤島”と揶揄(やゆ)された町に道路や下水道が整い、総合病院や図書館も建った。
 「産業がなく、イモや落花生、果樹ぐらいしか取れない町で、職員の給料を工面するのも大変だった」。浜岡町役場企画室長として1号機立地を担当した後、3期12年にわたり町長を務めた鴨川義郎さん(84)は「町が繁栄できたのは原発のおかげ。受け入れは正しかった」と言い切る。福島第一原発の事故は東電が安全対策を怠った結果と指摘し、中電が浜岡原発で行ってきた耐震工事などを評価する。「原発を非難する声は過剰反応。永久停止を求める市民は多くはない」
    ◇
 中部電力菅直人首相(当時)の要請を受け、浜岡原発を停止させてから14日で半年。中電は来年12月の完成を目指して防波壁の建設工事を進めているが、周辺自治体議会首長が「永久停止」を求めるなど、再稼働に向けたハードルは高い。原発のまちの今を追った。
浜岡原発をめぐる動き 
5月6日 菅直人首相(当時)が全面運転停止を要請
  14日 中部電力が全面運転停止を完了
  27日 地元住民らが「永久停止」を求め静岡地裁浜松支部に提訴
7月1日 弁護士らが「運転終了」と安全な廃炉処理を求め静岡地裁に提訴
  22日 中電が海抜18メートルの防波壁新設などの津波対策を発表
9月22日 防波壁の新設工事が始まる
  26日 牧之原市議会が「永久停止」を求める決議。西原茂樹市長も「永久停止」表明
10月26日 川勝平太知事が全面停止後初の訪問で防波壁工事を視察
11月11日 防波壁本体工事着工。中電の水野明久社長が御前崎市の石原茂雄市長と会談

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