沖縄密約訴訟:文書廃棄の可能性、開示請求却下 東京高裁(毎日新聞から引用)
沖縄密約訴訟:文書廃棄の可能性、開示請求却下 東京高裁
(毎日新聞から全文引用)毎日新聞 2011年9月29日 21時01分
元毎日新聞記者の西山太吉さん(80)ら25人が、72年の沖縄返還を巡る日米間の密約を示す文書の開示を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は29日、国に開示を命じた1審・東京地裁判決(昨年4月)を取り消し、原告側の請求を退けた。青柳馨裁判長は密約と文書の存在を認める一方、「不開示決定(08年10月)の時点で文書は無かった」と判断。同決定までに文書が廃棄された可能性があると指摘した。
西山さんらは08年9月、沖縄返還に絡み日米高官が▽米軍用地の原状回復費400万ドルと米短波放送の国外移設費1600万ドルの日本による肩代わり▽沖縄返還協定の日本側負担(3億2000万ドル)を超える財政負担--に合意(密約)したことを示す文書など7点を開示請求。外務・財務両省は翌10月、「文書不存在」を理由に不開示とした。
高裁は、1審判決と同様に密約の存在を認め、それを示す文書を「日本側も保有していた」と認定。文書存在の立証責任については「原告側が文書作成を証明した場合、国が廃棄を立証しない限りは文書保有が続いていると推認される」との1審判断の基準を踏襲しつつ、密約文書が通常の保管や廃棄の仕方ではなかった可能性を踏まえて「この基準に基づいて密約文書が(不開示決定時に)あるとは言えない」とした。
その上で、控訴審で国側が新たに証拠として提出し、「広義の密約」を認めつつ文書はなかったとした外務省有識者委員会の報告書(昨年3月公表)などを検討。「専門チームで徹底した文書の探索を行い歴代事務次官らにも聴取するなど調査は網羅的。報告書が肩代わり(密約)を認定したことに照らせばこの過程で文書を秘匿する理由はなく、報告書の信用性は高い」とした。
さらに「かつての両省はこれらの文書を秘匿する意図が強く働き、一般の行政文書とは異なって限られた職員しか知らない方法で管理された可能性が高い」とし、情報公開法の施行前に秘密裏に廃棄された可能性にも言及。「(文書作成から)35、37年経過した不開示決定の時点で、両省が文書を保有していたとの推認を妨げる(廃棄の可能性などの)特段の事情があり、同決定時に保有していたとは認められない」と結論づけた。【和田武士】
◇判決の骨子
・密約文書の開示と慰謝料支払いを命じた1審判決を取り消す
・国は過去に密約文書を保有していたと認められるが、現存しない。秘密裏に廃棄したか、保管外にした可能性を否定できない
・文書を発見できなかったとする10年の外務、財務両省による調査は信用できる
0 件のコメント:
コメントを投稿